正解は「貴族が自分の馬を競わせていた広い庭がそのまま競馬場になったから」。
もともとあったスタート地点とゴール地点をつなぐコースの周りに、柵やスタンドなどの施設を作ることで徐々に競馬場が生まれたため、下記のコース図に見られるように、様々な形態を持つ競馬場ができたわけだ。
本書データには載せていないが、イギリスのグッドウッド競馬場などは8の字を変形させたような独特の右回りコースであるし、エプソム競馬場の高低差42メートルなどという状況ももともとそういう地形だったからにすぎない。対する中山競馬場の高低差は約2m。海外のサラブレッドとのスタミナ差はそんなところからも生まれている。
イギリスの競馬場
▼エプソム競馬場
開催される主なレースは1780年創設のザ・ダービー(毎年5〜6月)、1779年創設のジ・オークス(毎年6月)など。丘陵の地形に沿って延びる美しい緑のコースに、誰もが目を奪われる。
ダービーの舞台となる約2400mは、最初の1100mで42m上り、そこから1200mで30m下り、最後100mで再び急坂という起伏の激しいコース。
▼アスコット競馬場
開催される主なレースは1951年創設のキングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドS(毎年7月)のほか、ロイヤルアスコット(毎年6月)の開催でも有名な英国王室所有の競馬場。
一周約2800m、直線500mの右回りおむすび型コース。三角形最後の直線(ニューマイルコース)は高低差20mの坂。2004年ごろに大改修を行い、起伏の激しさを多少緩和している。
© Net Dreamers Co., Ltd.