アジア競馬会議でインドに行く5年ほど前、リーディング上位を狙える位置にいた頃、池江は調教中に大ケガを負った。他厩舎から「お前しか乗れへんから頼むわ」と声を掛けられた馬だった。その馬のオーナーにもお世話になっていた。「いいですよ」と二つ返事で騎乗した結果、もともとクセのあったその馬とラチのあいだに挟まれてしまい、右大腿骨を複雑骨折。今のプラスティック製で衝撃を吸収する素材のラチと違い、当時のラチは木でできており、挟まれたらひとたまりもなかった。
すぐに救急車で近くの病院に運ばれたが、付き添ってくれた人が「この子は騎手やから、歩けるようになるだけではアカン」と懇願して、大阪の病院に転院。整形外科の有名な医師を集め、自家骨移植を含む手術が行われた。
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