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加熱する議論、強いのはどっちだ?

加熱する議論、強いのはどっちだ?

第5章

加熱する議論、強いのはどっちだ?

時代が生んだ世紀の一戦 1992年天皇賞・春 〜トウカイテイオーVSメジロマックイーン

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 天皇賞・春が行われる週に入ると、スポーツ新聞の競馬面だけでなく、一般紙や週刊誌、テレビのニュースまで、メディアはこの「世紀の対決」一色となっていった。当然、ファンの間でも話題はそればかり。議論は沸騰し、そしてレースの日を迎えるまで、それは終わる気配も、終わらせようとする者もまったく見当たらなかった。

 どっちが強いのか。どっちを買うべきか。ありとあらゆる比較が、大げさではなく日本中でなされていた。

 史上初の天皇賞・春の連覇か。それとも、史上初の無敗の天皇賞馬の誕生か。

 挫折を知ったメジロマックイーンか。挫折を知らないトウカイテイオーか。

 血統面からの2頭の比較は、とくに多くなされた。どちらも父系の、それぞれ2代前と3代前に共通のパーソロンを持つ。というわけで、大種牡馬パーソロンを日本に導入したシンボリ牧場の故・和田共弘オーナーに話を聞く。「我ながらパーソロンは偉大だと思う」と話す和田さんは「距離どうのは関係ない。メジロマックイーンはジャパンCで敗れたが、トウカイテイオーは国内のレベルを超えている馬だ」と、自らが生産、所有した名馬の仔への期待を隠さなかった。

 身体面の比較もずいぶんなされた。獣医師が、メジロマックイーンの心拍数が

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