目次

サトノダイヤモンドの成長、ココがすごかった!

サトノダイヤモンドの成長、ココがすごかった!

第2章

サトノダイヤモンドの成長、ココがすごかった!

池江流 最強の馬体の見方

目次

 当歳の7月にセレクトセールでサトノダイヤモンドを里見オーナーが購入されてからは月に1〜2回は牧場に見に行って、成長を確認していました。私が思い描いた理想とだいたい同じような感じで成長してくれました。馬によっては、たまに裏切られることもあるんですけどね(苦笑)。そんな時は「馬ってこういう風にして成長するんだな」と勉強させられます。

 サトノダイヤモンドは馬体のバランスが崩れることもなく、どんどんイメージを描いていた以上の馬になっていきました。成長するにつれて、「これが本当のサラブレッドだなぁ」と感心したものです。

 例えば、2歳のある時の写真を見てみましょう。まずは体の線。お父さんのディープインパクトに似てきましたね。腹袋がシュッとして、無駄な肉がついていません。ひばらが引き締まっているので、腹回りはもう少しあってもいいかな、という感じです。

 しかし、ボテッとして脂肪の乗る馬だと余計な鉛を背負っているようなもので、仕上げていくなかで負担がかかってしまいますので、無駄な脂肪がつかないことはいいことでしょう。人間でも水泳や陸上選手にしてもそうですよね。とくにサラブレッドはスピードを要するので、無駄な脂肪はいりません。

 次に首です。馬格に沿った首をしています。お父さんのディープインパクトは首を低くして走る姿勢も良かったですが、子供たちもそういう走り方をしていますね。

 胴は当歳のときから「余裕が出てくる馬だろう」と感じていましたが、2歳になってやはりそうなりました。巷でいわれているように、胴が長い馬のほうが距離が持ちます。サトノダイヤモンドはこの時の写真を見ても2000mくらいが合う馬体をしていますし、実際に競走成績もそうですよね。

 ただし、距離に関しては馬体よりも気性を優先する馬もいます。私も調教師時代はそうでしたが、レースを重ねながら気性や馬体を見て適性距離をはかっていくこともあります。ちなみにサトノダイヤモンドの場合、気性は牧場でも苦労したという話は聞きませんでした。素直さって大事なんですよね。

最強の馬体の見方

サトノダイヤモンド 当歳

最強の馬体の見方

サトノダイヤモンド 2歳

(扉写真:'16菊花賞 サトノダイヤモンド)

© Net Dreamers Co., Ltd.