第2章は「北極星は春に限ったものではないのだが、なぜか関連する名前のレースは春に多い」というところで終わらせた。こういった「ポラリスS」や「北極星賞」が春先にある理由について考えてみると、想像の域は出ないものの、確かにこの時季で良いのだと思えてくる。
1年の中でも春という季節は、もっとも北の夜空が注目される季節なのではないだろうか。
夏ならベガ・デネブ・アルタイルの「夏の大三角」、秋ならマルカブ・シェアト・アルゲニブ・アルフェラッツで構成される「秋の四辺形」、冬ならシリウス・プロキオン・ベテルギウスで結ぶ「冬の大三角」(あるいはさらに3つ加えて「冬のダイヤモンド」)のような季節ごとの図形のパターンがある(アステリズム、と言う)が、春にはなにがあるかというと、夏冬と同じ「大三角」と、ほかの季節にはない「大曲線」だ。
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