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「梶式レコーディングダイエット」の実践マニュアル

「梶式レコーディングダイエット」の実践マニュアル

第4章

「梶式レコーディングダイエット」の実践マニュアル

ジョッキーダイエット

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 前章では、ダイエットとは太りにくい習慣をつくること、ジョッキーは何を食べたらどのくらい増えるか、どういったことをしたらどのくらい減るのかを考えることが習慣化されているからストレスを感じず、引き締まった肉体を維持できる、というお話をしました。

 そのジョッキーがしている習慣を皆様にも体験できる方法を私は開発し、運営をしているパーソナルジム「ジョッキーズシェイプ」の恵比寿、つくば各店で会員様にも実践してもらっています。

 ここから具体的な説明に入っていきますが、先にも述べた通り、方法そのものは至って簡単です。レコーディングダイエットというのが一時期ブームになりましたが、そのメソッドを使います。レコーディングダイエットとは評論家、作家の岡田斗司夫さんが発明したメソッドで「1日の体重と食べたものをノートに記入する」というものです。

 自分が開発したと先述しましたが、岡田さんのメソッドとやり方はほぼ一緒なので、岡田さんの書籍がある方はそちらに従っても問題ないと思います(笑)。ただし、重要な点がひとつ。レコーディングは、ただ体重と食べたものを書けばいいわけではなく、しっかり段階を踏む必要があります。

 私はこれを「ドラクエ理論」と勝手に呼んでいます(笑)。ドラクエが名作ゲームであることはいうまでもなく、徹夜でプレイするほどのめり込んだ人も多数いました。しかし、レベル1でいきなりラスボスと戦う設定だとしたらどうでしょう?

 訳もわからず、全滅させられてゲームオーバーです。こんなゲーム面白くありません。レベル1からスライムを倒すところから始め、魔法を覚えたり、武器を買ったり、相手の弱点をついたり、さまざまな戦い方を覚え、レベルが上がり、ラスボスに挑むからうまくいくし面白い。つまり、段階を踏んでレベルの高いことに取り組む必要があるのです。

 よく考えてみると、ノートに毎日記入することはけっこう面倒なことと思いませんか?初めから体重、食べたもの、カロリー計算に挑戦するのはレベル1でラスボスに挑むことと同じです。岡田さんの著書にも助走、離陸、上昇と段階をつけることが書かれています。知らなかった方も多いのではないでしょうか。

 私もジムの会員様にはノートを使ってもらっていますが、成功した方は100%、ノートをしっかりと書いています。では、実際にどのようなつけ方を推奨しているのか?本家・岡田さんとは異なる部分もあるのでご説明します。

■Phase1

 体重を1日1回、必ず測ってノートに記入する。まずはこれだけ。10秒もかからないのではないでしょうか? 重要なのは、今まで習慣のなかったノートに体重をつけるということ。体重の計測時間を合わせる必要はありません。また、1行も空けずに記入していくと、あとで非常に見にくいので最低1行は空ける。ノートの値段はしれていますし、もったいなく使うのがポイントです。

■Phase2

 体重に加え、食べたものをすべて記入する。水以外、すべて記入します。ただ羅列するより朝、昼、間食、晩くらいは分けていいのかもしれません。このレベルでのポイントは、まだストイックにならないこと、我慢しないことです。ノートに書くという習慣がついていないなかでの我慢は、ストレスにつながります。ストレスとリバウンドは表裏一体、ストレスは極力少なくしましょう。

■Phase3

 Phase2を2週間くらい毎日続けることができたら、ノート記入も習慣化されているといっていいレベルです。この段階で、何かダイエットに挑戦してみます。カロリー計算、低GI、糖質制限、なんでもいいと思います。理由は先にもお話した通り、世のダイエットは正解、間違いという基準でなく、続かないから成果が出ないものが圧倒的だからです。

 私のジムでも入会2回目のトレーニングのときに「この前、トレーニングしても全然痩せないんですけどー」というクレームがあったりします。トレーニングも食事もそんな簡単に成果は出ませんし、もしそこまで早く成果が出るなら、不摂生している方々も同じように不摂生の成果が大きく出るはずで、今よりもっと悲惨な人たちが溢れてしまうことになるでしょう(笑)。

 というわけで、どのダイエットも3週間は続けましょう。3週間である理由は、ひとつは習慣が定着する期間だから。人間の場合、習慣が定着するのは回数ではなく期間といわれています。3週間チャレンジすれば、その後も習慣になり続けやすくなります。

 2点目は、その方法が合っているか、合っていないか、判断するちょうどいい期間だからです。2週間で諦めてしまうのはまだ早いですし、さすがにその期間で結果が出なければ、決断もしやすくなります。

 このPhaseで結果が出れば、あとはその生活をコントロールしながら続けるだけ。加えてノートも記入できているはずですから、一般的にNGといわれる食品も前後のバランスを見ながら食べられると思います。

 冒頭でジョッキーもお菓子や揚げ物を食べるとお伝えしましたが、さすがに制限なくということはありません。どのくらい食べていいのか、食べたいなら前後のバランスをどうとるのかを個人個人が習慣化し、熟知できていることが圧倒的な違いなのです。

 岡田さんの著書にも書いていますが、ダイエット前、食べたいものを満腹に食べることが幸せで、それができなければ不幸せ。そう思っている方は多いと思います。しかし、実際ダイエットがうまくいくと適量に食材の味を楽しむことに満足感を得られるようになり、食事の幸福度もドカ食いしていたときよりむしろ上がっているようにも感じます。まさに私がそうで、罪悪感を持って食べるよりも適量を味わって食べるほうがストレスにならず、食べすぎによる苦しさも感じず、充実しています。

■Phase4

 全項目をコンプリートできれば、1回の食事の充実感を落とすことなく、コントロールすることが習慣化されていることでしょう。ノート生活からの卒業も考えていいと思います。ここで重要なのはもし体重が増えそうになったら、ノートを再び始めることを躊躇しないことです。私も現在、ノートはつけていませんが、少し注意というときは再開することもあります。

 ただノートをつけているだけでも、

「ノートに書くぐらいなら食べないでいいや。これは健康的で身体にいいことしてるな」

 と再意識させることなり、いい習慣に戻ることができます。リバウンド知らずで自分に自信を持てるアナタの完成です。

 方法が確立できたと思い込んでいつの間にか元に戻ってしまいました、という方がときどきいるのですが、私はこれを「禁煙なんていつでもできる理論」と名付けています。いつでも体重なんて落とせますから、という自信過剰にはくれぐれもご用心です。

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