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馬を知らなかったアメリカ・インディアン

馬を知らなかったアメリカ・インディアン

第3章

馬を知らなかったアメリカ・インディアン

世界史から学ぶ競馬(上)

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 前章で「馬がいなければ21世紀もまだ古代だった」という仮説を紹介した。

「なにをバカなことを」と思われるかもしれないが、そこで古代ギリシアやローマ帝国から時空を大きく飛び越えて、アメリカ大陸に目を向けてみたい。ここにその仮説を裏付ける例証があるのだ。

 コロンブス(1451頃〜1506年)がアメリカ大陸に到達したとき、そこに馬は生息していなかった。

 こういうと、多くの読者は驚かれるだろう。「そんなことをいうが、アメリカの先住民だって馬に乗っていたじゃないか!?」と。

 じつは、それは古き良きアメリカ西部劇によって刷り込まれた勘違いである。事実としては、当時のアメリカ大陸には、ヨーロッパ人がやってくる15世紀まで馬はいなかったし、実際に騎兵隊が戦ったアメリカ先住民はすべて歩兵だったのだ。

 より正確にいおう。ベーリング海峡が陸続きであった太古の時代には馬はアメリカ大陸にも渡ってきていて、その頃の化石も残っている。しかし、約1万年前を境にして、その痕跡は途絶えてしまう。恐らく、人類がアメリカ大陸に住むようになってのち、気候や環境の急激な変化が起きて、みんな食べ尽くされて絶滅したのだ。

 では、馬の絶滅したアメリカ大陸では、どのような文明が生まれただろうか。

 メキシコ高原では、

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