1997(平成9)年に消費税増税などの緊縮財政を始めたことで日本はデフレ不況に陥り、いまだに脱することができていない。これは競馬界にも深刻な影響を与えてきた。
次の図はJRAの「開催場入場人員」、すなわち競馬場に足を運んだお客さんの数と、「売得金額」、つまりJRAの売上金額の推移だ。
<JRA売得金額合計/開催場入場人員>
「開催場入場人員」のピークは1996(平成8)年。そこから滑り落ちるように減少し、もはやピーク時の半分以下だ。そして、「売得金額」のピークは1997(平成9)年。見事に日本がデフレ不況に突っ込んだ時期と重なるのである。
ただ、これは当たり前と言えば当たり前の現象とも言えるだろう。国民の懐が温かくなれば財布の紐も緩み、競馬に出掛ける余裕も出て、競馬場で買う馬券の額も増え、逆に懐がさみしいとなれば、競馬場になど足を運ぶ余裕もなくなり、仮に出掛けたとしても、馬券の購入額を絞らざるを得ない。
そして、これまた当然の帰結として、JRAの売り上げが下がれば賞金の額にも影響が及んでくることになる。
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