前章で紹介したトゥザヴィクトリー(2001年)、またドバイ・シーマクラシックで勝利したステイゴールド。いずれも武豊の騎乗だった。2016年9月にはJRA馬で前人未到の通算4000勝を記録し、2017年にはIFHA(国際競馬統括機関連盟)国際功労賞も受賞した不世出のジョッキーだが、ドバイでも日本調教馬で4勝を挙げている。もちろん、日本人騎手として最多勝記録だ。
武豊騎手にとって最初のドバイ挑戦となったのはトゥザヴィクトリー、ステイゴールドに騎乗した2001年。また、この年は同日に開催されたドバイ・ターフ(当時のレース名はドバイ・デューティーフリー/当時G2・2002年からG1)にもイーグルカフェで出走し、9着の成績を残している。このドバイ・ターフ、またステイゴールドで勝利したドバイ・シーマクラシックは、ドバイ・ワールドカップを興行の中心とするドバイ・ワールドカップ・フェスティバルのなかに位置づけられているレースだ。
武豊騎手がドバイの地で挙げた4勝の足跡を追ってみよう。
最初の勝利は、すでに述べたドバイ・シーマクラシック。芝2410メートルで争われるレースである。スタート後、まずは向正面で馬群の中程で折り合いをつけながら、直線に入ると残り2ハロンの地点から力強い差し脚を見せて抜け出しを図る。外からファンタスティックライトが追いすがるが、そのままハナ差でゴールイン。ステイゴールドが持つ力量を100パーセント出し切るみごとな騎乗だった。
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