最初に述べたように、ドバイ・ワールドカップは舞台がナド・アルシバ競馬場からメイダン競馬場に移った2010年から2014年まで、“タペタ”と呼ばれるオールウェザー・コースでおこなわれていた。タペタとは、ラテン語でカーペットを意味する言葉。オールウェザー・コースの素材のひとつだ。
日本では2007年に総工費約9億円をかけて美浦トレーニングセンターにニューポリトラック素材を使用した調教コースが設けられ、2009年には栗東トレーニングセンターにも同素材のコースが設けられた。
もっとも、実際のレースが開催される競馬場でのオールウェザー・コースはまだ実現していない。大井競馬場の本コースをポリトラックに変更する計画が進められているが、日本では馴染みの薄いコースと言っていい。
ご承知のように、競馬は従来、芝あるいはダートのコースでおこなわれてきた。ICSC(国際セリ名簿基準委員会)が毎年発表するワールド・サラブレッド・ランキングでも、馬場は「T」(turf=芝)と「D」(dirt=ダート)に区分されており、オールウェザー・コースを示す「A」(artificial surface=人工馬場)が加わったのは2009年からである。
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