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さまざまな要因が絡み合って牝馬が牡馬と伍して戦えるようになった

さまざまな要因が絡み合って牝馬が牡馬と伍して戦えるようになった

第6章

さまざまな要因が絡み合って牝馬が牡馬と伍して戦えるようになった

強い牝馬はナゼ増えた?

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 牝馬が強くなった理由について、「メンタルの変化」の大きさを指摘したが、もちろん、それだけで強くなったわけではないだろう。例えば、前述の「netkeiba.com」のコラムで、角居勝彦調教師は「ちょうどウオッカのあたりから、生産・育成が完全に一体化したことも挙げられるでしょうね。その馬のクセや飼料管理といったところまで、生産牧場から育成牧場、そしてトレーニングセンターと、それぞれに移行する際に連携して情報共有がなされるようになったので、継続した管理ができるようになったのです。一貫した環境を用意してあげることで、繊細な牝馬でも、より本来の力を発揮できるようになったと思います」と述べている。

 また、ショウナンパンドラを管理していた高野友和調教師は、同コラムで鈴木淑子さんから「かつてないほど牝馬が活躍している理由」について尋ねられ、「ひとつには医療技術の進歩が挙げられるのではないでしょうか。いまは内視鏡で胃を検査することもできますし、対応として胃薬を処方したりもしています。またサラブレッドは腸の状態管理が重要なのですが、腸内環境をよくする飼料があって、疝痛の馬もかなり減ってきていると思います。繊細な牝馬はとくに、胃腸の管理は重要ですからね。(中略)あとはもちろん、調教施設の進歩・育成牧場の存在も大きいでしょうね。短い時間のキャンターで負荷がかけられる坂路は、精神的に追い込むとヘソを曲げてしまう牝馬には、うってつけだと思います。それにウォーキングマシン、ウォータートレッドミル……各馬の個性に応じたトレーニングができることも、繊細な牝馬が力を発揮できるようになった要因ではないでしょうか」と答えている。

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