アブクマポーロは、メイセイオペラを完膚なきまでに叩きのめした川崎記念を皮切りに、グレードレースを6連勝中。手がつけられないほどの強さで、ダートの王座に君臨していた。
メイセイオペラの関係者は、アブクマポーロの破壊力を十分に理解していた。しかし、怖気づくことはなかった。柴田厩務員は、「負荷をかけていかなければならない」「しかし、ケガをさせてはいけない」というプレッシャーを感じながらも、対決が楽しみで仕方なかった。
「僕の仕事はレースに行けば、あとはジョッキーにお願いするだけ。それにオペラは、すごく順調だ」
柴田厩務員はファンと同じように、「どっちが勝つんだろう」というワクワクした気持ちで、決戦の日を迎えた。
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