目次

第78回凱旋門賞、ラスト100メートルの激闘

第78回凱旋門賞、ラスト100メートルの激闘

第5章

第78回凱旋門賞、ラスト100メートルの激闘

世界に挑んだサムライサラブレッド 〜Part1・欧州編〜

目次

 フランスのG1レースに快勝したことで、日本国内でも凱旋門賞制覇に向けた期待が高まっていた。

 エルコンドルパサーの快進撃はさらに続く。

 9月12日のフォワ賞(G2)。すでに述べたように、このレースはスケジュール的に凱旋門賞の前哨戦と位置づけられている。場所も凱旋門賞と同じロンシャン競馬場。出走馬はエルコンドルパサーを含めて3頭という日本ではほとんど目にすることのない状況だったが、出走するのはサンクルー大賞典でも戦った「世界最強牝馬」ボルジアと、フランスでの緒戦となったイスパーン賞で苦杯を舐めさせられたクロコルージュ。そして、エルコンドルパサーはこの強豪2頭を力で捩じ伏せ勝利を収めたのだ。

 ここまでくると否が応でも期待は高まる。フランスでも、エルコンドルパサーは凱旋門賞の有力な優勝候補と認められるまでになっていた。最大のライバルは、この年、フランス・アイルランドのダービを連覇し、前哨戦のニエル賞(G2)も快勝していたモンジュー。

 いよいよ迎えた10月3日、第78回凱旋門賞。

 このレースは過去に例を見ないほどの不良馬場となった。投票が締め切られた時点でモンジューが1番人気、エルコンドルパサーは2番人気の支持を得ていた。ゲートオープン。最内枠からスタートしたエルコンドルパサーが先頭に立つ。

 意外な展開だった。誰もがラスト500メートルの直線勝負と思っていたのだ。ロンシャンの2400メートルを逃げ切れるのか。

 この予想外のレース展開を、鞍上の蛯名正義騎手は次のように振り返っている。

この続きはスーパープレミアムコースに
登録すると、読むことができます。

すでに登録済みの方はここからログイン

  • netkeiba Books+は、定額読み放題のサービスです。
  • 簡単な手続きで、netkeiba.comにあるすべてのコンテンツがご利用いただけます。

人気のブック

© Net Dreamers Co., Ltd.