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「皇帝の血を継ぐ帝王」トウカイテイオー

「皇帝の血を継ぐ帝王」トウカイテイオー

第3章

「皇帝の血を継ぐ帝王」トウカイテイオー

時代が生んだ世紀の一戦 1992年天皇賞・春 〜トウカイテイオーVSメジロマックイーン

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 トウカイテイオーは1988年、新冠町の長浜牧場で生まれた。

 父は史上4頭目の3冠馬シンボリルドルフ。JRAのG1を7勝というのは当時の史上最多で、現在でも超えられてはいない。完全無欠な強さと、先行抜け出しの横綱相撲で相手をねじ伏せる走りから「皇帝」の愛称で呼ばれた。

 母はトウカイナチュラル。不出走馬だが、半姉にオークス馬トウカイローマンを持つ良血馬だ。

 牧場時代から父からの連想で「テイオー」と呼ばれていたトウカイテイオーだが、端正な顔立ちと醸し出す気品は、まさに当時、種牡馬入りしたばかりで、これが初年度産駒となるシンボリルドルフそのものだった。その出自からは、例えばメジロマックイーンが天皇賞馬となることを義務づけられた馬だったとすれば、トウカイテイオーは、生まれながらにして3冠馬となることを期待された馬だったといえるのかもしれない。

 とはいえ、デビュー当初のトウカイテイオーの評価は、そこまで高いものではなかった。

 デビューは2歳の秋、12月の中京だった。この頃、最後の秋を戦うオグリキャップはジャパンCで11着と惨敗し、引退レースの有馬記念へ向かおうとしていた。1歳上の世代ではメジロマックイーンが菊花賞を制した後、翌春を目指して休養に入っていた。

 新馬戦を楽勝したトウカイテイオーは、

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