1992年4月26日、日曜日。京都競馬場には初夏を思わせる強い陽射しが照りつけていた。午前8時、京都競馬場は予定を1時間早めて開門。「世紀の対決」を一目見ようと続々と訪れる観客は、午後1時の時点で早くも8万人を突破していた。
この日は午前中の第3レースで14万3070円という大穴馬券が出現し、場内を大きく活気づけていた。今では珍しくないレベルの配当だが、当時は前年の秋、馬連が導入されたばかり。それまでは連勝複式馬券は枠連しかなかったのだ。
単勝1番人気はトウカイテイオーで1.5倍、メジロマックイーンは2.2倍。王者の強さは認めつつ、底を見せていない新星に期待する世論を、それはよく現した数字だった。
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