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“銀メダリスト”としての覚醒

“銀メダリスト”としての覚醒

第5章

“銀メダリスト”としての覚醒

その“もどかしさ”が好きだった 〜ステイゴールド物語〜

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 菊花賞8着後の立て直しの一戦は、ワールドスーパージョッキーズシリーズ(WSJS)のゴールデンホイップトロフィー(1600万下、芝2000m)。自己条件に戻っての戦いとなった。鞍上は抽選の結果、武豊騎手となる。これもまた、運命的な出会いといえるかもしれない。

 1番人気に推されたが、結果はクビ差の2着。

 次戦は、格上挑戦となるオープン特別の万葉ステークス(芝3000m)。ここは、ハナ差の2着。さらに、自己条件に戻って、松籟ステークス(芝2400m)に出走するも、またまたハナ差の2着となった。

 格上挑戦のオープン特別でハナ差の2着なのだから、自己条件の1600万下なら楽勝かと思われたにもかかわらず、こちらもハナ差の2着。だったら、思い切って重賞に挑戦するのも面白い。そんな会話があったか、なかったか、次のチャレンジはG3ダイヤモンドステークス(芝3200m)となった。

 レースは中団やや前といった位置で折り合い、4コーナーからスパート。直線で先頭に立つが、ユーセイトップランの直線一気の末脚に差され、2着だった。この重賞2着によって賞金が加算され、ステイゴールドは3勝馬ながら晴れてオープン馬となった。

 オープン馬、重賞2着、ステイヤーとなれば、次の目標は春の天皇賞ということになるわけだが、もちろん、ついこの前まで準オープン馬で、G3を2着しただけのステイゴールドが、いきなり天皇賞で勝てるなどとは陣営も思ってはいなかった。だが、長距離向きのこの馬にとって展開が向けば「掲示板ぐらいはあるかも」という色気は出てくる。

 春の天皇賞を目指すステップレースに選んだのは、日経賞(G2、芝2500m)だった。ここまで4戦連続2着。このG2でももしかして…との期待がかかったが、結果は4着。5戦連続2着とはならなかったものの、強豪相手のG2で掲示板に載ったことは、次走に向けて大いに期待させてくれるものだった。

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