目次

「勝ち癖」でつかんだグランプリホースの称号 〜ゴールドアクターの場合〜

「勝ち癖」でつかんだグランプリホースの称号 〜ゴールドアクターの場合〜

第6章

「勝ち癖」でつかんだグランプリホースの称号 〜ゴールドアクターの場合〜

有馬記念 馬券教本

目次

 スポーツの世界ではよく「勝ち癖」「負け癖」といった言葉が使われる。「勝ち癖をつけたい」とか「負け癖を払拭しよう」などといった使い方をする。たとえ大きな試合でなくても、勝ち続けることで自己肯定感も上がり、勝つことが当たり前と思えるようになってくる。すると、大きな試合にも「勝つのが当たり前」というマインドで臨めるようになる。「負け癖」はその逆で、負け続けることで「負けるのが当たり前」「どうせやってもまた負ける」というマインドが形成されてしまい、本来勝てるはずの試合にも「負けるのが当たり前」で臨み、そのとおりの結果になってしまう。

 馬が自己肯定感を感じるのかどうかはわからないが、競馬の世界でも「勝ち癖」「負け癖」が語られることがある。少々古い話になるが、テイエムオペラオーを管理した岩元市三調教師は、皐月賞(GI)の勝利後に3連敗したテイエムオペラオーの負け癖を払拭したいと考えて、菊花賞(GI)2着後、メンバー的に見て勝てそうなレース、ステイヤーズステークス(GII)に出走させることにしたという。結果はここも2着で、逆に負け癖を重ねることになってしまうのだが、競馬関係者が「勝ち癖」「負け癖」を意外に強く意識していることを物語るエピソードといえるだろう。

 2015年、記念すべき第60回有馬記念で、ゴールドアクターはこの「勝ち癖」を発揮し、8番人気ながら見事な勝利をつかんだ。逆にいうと、多くのファンが「勝ち癖」のついている馬を軽視していたといえるだろう。

 ゴールドアクターは、2011年5月、北海道新冠郡新冠町の北勝ファームで生まれた。北勝ファームは当時、スタッフ2人という小牧場。ゴールドアクターがアルゼンチン共和国杯(GII)を勝つまでは、重賞勝ち馬を出したこともなかった。

この続きはスーパープレミアムコースに
登録すると、読むことができます。

すでに登録済みの方はここからログイン

  • netkeiba Books+は、定額読み放題のサービスです。
  • 簡単な手続きで、netkeiba.comにあるすべてのコンテンツがご利用いただけます。

人気のブック

© Net Dreamers Co., Ltd.