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レース選択に悩む陣営をよそにクラシック候補に名乗り

レース選択に悩む陣営をよそにクラシック候補に名乗り

第3章

レース選択に悩む陣営をよそにクラシック候補に名乗り

スペシャルウィーク (上)

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 入厩したスペシャルウィークの動きで、白井調教師が最も驚いたのは、遊びながら走っているような余裕のある動きをしながらも、時計を見ると速いタイムが出ていることだった。これは、日高大洋牧場の小野田宏代表が感じたものと同じだった。

「こんな、余裕のある走りでそこそこの時計を出すなんて、本気で走ったらどうなるんだろう」

 陣営の期待は日に日に高まっていくのだった。

 スペシャルウィークのデビュー戦は、1997年11月29日、阪神競馬場、3歳新馬、芝1600m戦だった。天気は雨、馬場は稍重。ただし、次のレースでは不良馬場となるほどの強い雨が降るなかでのレースとなった。

 ジョッキーは、白井秀幸厩務員が熱望した武豊騎手に依頼した。臼田オーナー、白井調教師ともに、ぜひ武騎手に乗ってほしいと思っていた。調教でスペシャルウィークに乗った武騎手は、白井調教師に「ダンスインザダークに似ていますね」と語っている。白井調教師が手掛けたダンスパートナーの全弟で、前年に菊花賞を勝っている馬である。

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