レースそのものが見る者に与えた感動とはまた別の話になってしまうが、ナリタブライアンとマヤノトップガンの2頭それぞれにとって、この阪神大賞典での走りがどんな意味を持ったのかは、時間が経つほどに冷静に整理されていった。
後日、改めて振り返った感想としてナリタブライアンの武豊騎手、マヤノトップガンの田原騎手に共通していたのは、もしナリタブライアンが本当に全盛期の能力に戻っていたならば、あんな接戦にはならなかったのでは、という推測だった。
ナリタブライアンの大久保調教師は「復活」の喜びに浸っていたのはゴール直後だけで、その日のうちには「ひとつの関門を通過しただけ。まだ先がありますから」と表情を厳しくしていた。
マヤノトップガンの坂口調教師も「強い馬が復調したということでしょう」と敗戦を冷静に受け止め、愛馬についても「あくまで前哨戦の仕上げで、調整不足のなかでよく走ってくれました」と分析。そうした関係者のクールな態度は、いかにレース内容が素晴らしくとも、やはりこの阪神大賞典はGIではなく、あくまでもGIIなのだということを思い出させた。
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