こうして見ると、オルフェーヴルは女に弱いという説は、やはり本当だったのではないか。とはいえ、すべての女に負けていたわけではない。
女難が降りかかる以前には、牝馬にもしっかり勝っているのだ。では、ここで時計を2011年に巻き戻そう。3冠達成後の有馬記念では、しっかりと姉御ブエナビスタに勝利しているのだ。
この年の有馬記念は、女傑のブエナビスタの引退レースでもあった。そのため、ファン投票ではブエナビスタに1位をとられ、オルフェーヴルは2位に甘んじた。だが、単勝では、オルフェーヴルがしっかり1位の座を得ている。
さらに、このレースでは同年のドバイワールドカップを制したヴィクトワールピサを始め、G1馬9頭、計19冠という、豪華な顔ぶれが揃ったことで、大いに華やいだ。しかしながら、観衆の関心は、オルフェーヴルとブエナビスタに集まった。「2頭一騎打ちとなるだろう」と、多くの観客が予想していたからである。
その注目の大きさを、関係者が感じないわけがない。実際、追い切り後に池添騎手は
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