シンボリルドルフとトウカイテイオーは日本の競馬史上もっとも偉大な父子であった。
父子で顕彰馬(中央競馬の発展に多大な貢献のあった競走馬の功績を讃える一環として1984年に発足した制度)にも選ばれている。もちろん親子での受賞は他にも例はあるし、あのディープインパクトも種牡馬となってから選ばれている。だが、ことレース成績という点では、この2頭は際立っている。
トウカイテイオーは牧場時代から、「テイオー」と呼ばれていた。「皇帝」シンボリルドルフの子だから、である。
1991年の競馬界はトウカイテイオー一色だった。皐月賞では最後の直線を早めに先頭に立って押し切る。ダービーでも2着馬に3馬身差をつけ、まったく危なげなくゴールした。
だが、実を言うと、
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