メジロ牧場閉鎖のニュースは、スポーツ新聞などの報道を通して、一気に知れわたることになる。それからレイクヴィラファームの本格的な開場までの期間は、岩崎氏だけでなく、牧場スタッフも目が回るほどの忙しさだったというが、そのあいだにも、繁殖牝馬を初めとする管理馬の受け渡しや、手作りした調教コースの撤去などは、粛々と行われていった。

　レイクヴィラファームとなるに当たり、ドメスティックな変化となったのが、収得賞金での経営をメインとするオーナーブリーダーから、セリを中心に生産馬を売買して得た賞金で経営を行う、マーケットブリーダーとなることだった。

　この辺のノウハウに関しては、セレクトセールでセリ馬の管理を行ってきたノーザンファームスタッフからの技術協力がなされ、時にはノーザンファームから厩舎長や調教主任が訪ねてくることさえあった。

　「今でも時間があれば、足を運んでくださっている、ノーザンファームの皆さんには感謝しかありません。スタッフたちも自分以上に切り替えが早く、研修に出かけて得た経験や知識を、管理馬に反映させてくれました」

　“メジロブランド”の付いたレイクヴィラファームの生産馬たちは、