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デビュー当時から随所に見られた「破天荒」の片りん

デビュー当時から随所に見られた「破天荒」の片りん

第4章

デビュー当時から随所に見られた「破天荒」の片りん

ゴールドシップ  多くのファンを虜にした芦毛の“気分屋”

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 ゴールドシップのデビュー戦は2011年7月9日、函館競馬場の芝1800m。

 須貝尚介調教師はレース前、「血統的に芝の長めが合うと思い、ここを目標に。乗りやすい馬だし、素質は感じますよ」とコメントしている。後のゴールドシップを知っている者からすれば、「よく『乗りやすい馬』だなんてコメントできたものだ」と思うところだが、この時点ではそれほど“気性難”は発揮していなかったのだろう。

 直前追い切りでは、函館のウッドチップコースで55.2-40.3-13.0というタイム。タイムを見る限り、終いだけしっかり追ったのだろうと思われるが、当時の新聞を見ると「一杯」と書かれている。そして、評価は「目立たず」「C」となっている。

 冒頭に述べたまとめサイトのなかに、ゴールドシップの特徴として「基本的に調教はやる気なし」と書かれたものがあったが、それはデビュー時から見られた特徴だった。それでも血統やそれまでの動きが評価されてか、レースでは2番人気に推された。圧倒的1番人気はディープインパクト産駒のサトノヒーローで単勝1.7倍。ゴールドシップは単勝7.0倍だった。

 このデビュー戦、レースを改めて見直してみたが、「乗りやすい」どころではなかった。スタート直前、ゴールドシップは首をしきりに上げ下げし、ゲートが開くと、ちょっとびっくりしたようなしぐさをしてから走り出している。当然、ダッシュはつかず、後方3、4番手からの競馬となった。デビュー戦からすでに、その後のゴールドシップのやんちゃぶりの片鱗は見られたのである。

 3コーナーを回ったあたりで、鞍上の秋山真一郎騎手のムチが一発入る。

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