ここまで、有馬記念で年の瀬の「ツケ」回収に大きく貢献した穴馬たちの走りを振り返ってきた。筆者自身、彼らの走りを振り返ることで、いくつかの「傾向」が見えてきた。最後にそんな傾向について記しておきたい。ただし、あくまでも「傾向」なので、馬券購入についてはくれぐれも自己責任でお願いしたい。
有馬記念でよくいわれる傾向のひとつに「内枠有利」というものがある。ここで取り上げた5頭の馬番は「7」(16頭立て)、「8」(15頭立て)、「3」(16頭立て)。「3」(16頭立て)、「7」(16頭立て)だった。ダイユウサクは15頭立ての8番枠なので、ど真ん中だが、それを含めて、「真ん中よりも外」の馬はいない。「内枠有利」はある程度、信用していいデータといえるのかもしれない。
ちなみに、2017年までの過去20年の勝ち馬の数を調べると、枠番の1から4枠(内枠)が13勝、5から8枠(外枠)が7勝となっている。2着についても、内枠が14頭、外枠6頭と同様の傾向を示している。
また、ゲート内にいる時間が短い「後入れの偶数枠(馬番)」を好む関係者も多いが、見てきた5頭のうち、偶数枠は1頭だけ。残りの4頭は奇数枠だ。2017年までの過去20年では、偶数が8勝、奇数が12勝。過去10年に絞り込むと、偶数3勝、奇数7勝となっている。「後入れ」が好まれるわりには、奇数枠のほうが意外に有利というデータが出ている。
紹介してきた5頭に話を戻すと、さらに共通するのは「重賞勝ち馬」だということ。「そんなの、有馬記念なんだから当たり前。重賞勝ちのない馬は、そもそも出てこない」といわれそうなので、もうひとつ付け加えると、「『ほぼ』1年以内に重賞勝ちがある」と言える。「ほぼ」というのは、メジロデュレンが前年の菊花賞を勝っていて、約1年1カ月前なので「ほぼ」だ。
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