1997年12月31日、水沢競馬場。岩手競馬のグランプリレース・桐花賞に、メイセイオペラは出走した。柴田厩務員は祈るような気持ちで、愛馬を送り出した。
「『これなら』という状態までは、持っていけた。でも、まずは無事に走ってほしい」
2戦続けて惨敗した3歳馬であるにもかかわらず、ファン投票1位に支持された。怪我を乗り越えて、復活してほしい―――。そんなファンの期待に、メイセイオペラは応えてみせた。好位追走から直線で懸命に脚を伸ばして、古馬を撃破。まだ本来の状態には戻っていないなかでの復活勝利だった。菅原騎手はファンと陣営の喜びを代弁するように、大きなガッツポーズを炸裂させた。
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