第9章
メイセイオペラが遺したもの
メイセイオペラ
目次
8月、盛岡競馬場で行われたみちのく大賞典を3連覇したメイセイオペラ。しかし南部杯前、左前脚に浅屈腱炎を発症し、現役を引退した。2000年11月、盛岡競馬場で行われた引退式には、全国各地から1万人のが詰めかけた。星のようにまたたくフラッシュを浴びて、ラストランを披露。北海道のレックススタッドへと旅立った。
日本で重賞を制した産駒は4頭。園田の摂津盃、姫山菊花賞、楠賞を制したジョイーレ。水沢のビューチフル・ドリーマーカップを逃げ切ったジュリア。父も制した桐花賞を快勝したカネショウエリート。大井の交流重賞・黒潮盃で壮絶な叩き合いを演じ、クビ差で勝利をもぎ取ったツルオカオウジ。
2006年、メイセイオペラは種牡馬として、乞われて韓国へ渡った。そして2011年4月、東日本大震災の直後―――韓国での初年度産駒であるソスルッテムンが、内田利雄騎手を背に、KRAカップマイルという韓国版皐月賞を制覇した。オペラが自分にそっくりな息子の背中を押して、東北の人々に明るいニュースを届けたような気がしてならない。