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規格外の逸材 ウオッカ

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第4章

規格外の逸材 ウオッカ

タニノギムレットとウオッカのダービー史上唯一父娘制覇の偉業

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 ダービーを制覇したタニノギムレットは秋の菊花賞を目指して調整されていたが、屈腱炎のアクシデントに見舞われ、急遽引退、種牡馬入りした。ナリタブライアン、マヤノトップガン、サニーブライアンなどブライアンズタイム産駒の先輩種牡馬が目立った成績を残しせていなかったこと、くわえて血統的にもサンデーサイレンスを父に持つ牝馬との交配が可能であることから、タニノギムレットにはブライアンズタイムの後継種牡馬としての成功が期待されていた。総額16億2000万円のシンジケートが組まれ、北海道安平町の社台スタリオンステーションで繋養されることとなった。

 谷水は、初年度から8頭の繁殖牝馬をギムレットに交配することにした。そのなかの1頭にタニノシスターがいた。

 タニノシスターは、1995年に谷水が購入した抽せん馬(JRAがセリ市で馬を購入、競走馬としての訓練をしたのち、希望する馬主にウェーバー方式で販売した馬。現在はJRA育成馬と呼ばれている)である。谷水が購入したといっても、厩舎を開業したばかりの森秀行へ預託することが決まっていたため、実際は森が選んだ。森は戸山為夫厩舎出身で、その戸山厩舎はタニノハローモアなどの先代の所有馬を数多く管理していた。森と谷水には、そういったつながりがあった。

 タニノシスターの母系は日本を代表するオーナーブリーダー、トウショウ牧場の血脈であり、さらにさかのぼっていくとあのシラオキ(1949年のダービー2着)がいる。2004年、そのタニノシスターと、カントリー牧場の30年の血脈を持つタニノギムレットの配合により、ある1頭の牝馬が誕生した。

 それがウオッカである。

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