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成長過程で露呈してきた“気難しさ”ゆえの“脆さ”

成長過程で露呈してきた“気難しさ”ゆえの“脆さ”

第7章

成長過程で露呈してきた“気難しさ”ゆえの“脆さ”

ゴールドシップ  多くのファンを虜にした芦毛の“気分屋”

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 ゴールドシップの、2013年の船出は「ようそろ」の声が聞こえてきそうなほど順調だった。3月17日、阪神大賞典(G2)。このレースもいつも通り、スタートダッシュがつかず、最後方からの競馬となるも、残り1000m付近から気合いをつけて徐々に前へと進出する。直線入口でムチを入れると、しっかり反応して完勝した。

ゴールドシップ

2013年阪神大賞典

 前年からの戦績は7戦6勝。連勝も4と伸ばし、まさに万全ともいえる体制で、4月28日の天皇賞・春(G1)へと挑むこととなった。周囲の評価も高まるばかり。新聞各紙も「ゴールドシップの相手探し」に必死という、単勝に関してはまさに鉄板レースの様相を呈していた。

 実際、直前追い切りの動きも抜群。栗東の芝コース、雨による不良馬場で、76.4-61.9-48.0-35.2-11.6を一杯で計時。長めに追いながらも、終いしっかり伸びる完璧な仕上がりといえた。スポーツ紙の評価でも「迫力満点」「A」と最大級の評価がなされている。「基本、調教はやる気なし」といわれたゴールドシップにしては、かなりやる気を見せたものだった。

 陣営のコメントも強気一辺倒。「何もかも一番といっていいくらいのデキ」と須貝師がいえば、今浪厩務員も「元気が良すぎるくらい。有馬記念のときと比べてもパワーがある感じ。カイバ食いもいいし、今までで一番いい」と手放しで絶賛する。

 陣営のこうした自信は、当然、競馬記者たちにも大きな影響を与える。穴党記者は絶対に印を付けないし、本命派の記者は自信の◎を付ける。◎のなかにさらに丸を書き、三重丸印を付ける記者までいる。

 某スポーツ紙のメイン記者A氏は「ゴールドすべて断トツ」と見出しを打ち、「満点の仕上がり」「スタミナとパワーは他の17頭と大きな差があり、展開も不問」「最強ステイヤーの走りを見せつける」と断言している。

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