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“強さ”と“脆さ”に振り回される陣営と関係者、そしてファン

“強さ”と“脆さ”に振り回される陣営と関係者、そしてファン

第8章

“強さ”と“脆さ”に振り回される陣営と関係者、そしてファン

ゴールドシップ  多くのファンを虜にした芦毛の“気分屋”

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 宝塚記念で強いゴールドシップが戻り、「凱旋門賞へ」という声も聞かれるようになった。だが、陣営は熟慮の結果、「行くなら来年」という方針を固め、年内は国内レースに専念することとなった。

 秋初戦は、多くの古馬が秋の天皇賞へのステップとする京都大賞典(G2)。当然のように1番人気に推されたが、ここでもスタートダッシュがつかず、1週目の直線で押して前に出て、好位5番手あたりでの競馬となる。一度、番手を下げて再加速を図るが、最後の直線で伸び切れず、まさかの5着に終わった。このまさかの敗戦によって、陣営もさまざまな点で計画の練り直しを迫られることとなった。出走予定だった天皇賞・秋(G1)を回避。ジャパンC(G1)へと向かうことになった。

 そのジャパンC。1番人気はジェンティルドンナに譲ったものの、僅差の2番人気(単勝3.4倍)。前出した某スポーツ紙のメイン記者A氏の予想も◎。「前走は出張馬房の両隣が牝馬でイレ込むなど、悪条件が重なった。中間は短期放牧でリフレッシュ後、じっくり乗り込み、好調時のフォームが戻った。心身とも大レースを戦うにふさわしい状態に仕上がっている」と非常に高く評価している。

 スタートは悪くなかった。だが、やはりダッシュはつかず、最後方からの競馬となる。直線の長い府中ゆえか、スパートは3コーナーあたりから。外へ持ち出し、加速を図る。しかし、まったく伸びない。なんと、デビュー以来初の2ケタ着順、15着と大惨敗を喫してしまった。

 レース後、内田騎手は「なんでだろう」「もっと早めに上がっていくつもりだったけど行けなかった」とコメント。須貝師は「馬は競馬をしていないのでケロッとしている。有馬記念に向けて調整していこうと思うが、ジョッキーも含めてオーナーと相談します」と乗り替わりをも示唆した。

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