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生みの苦しみを味わいながらも史上4頭目の3冠制覇達成

生みの苦しみを味わいながらも史上4頭目の3冠制覇達成

第5章

生みの苦しみを味わいながらも史上4頭目の3冠制覇達成

ジェンティルドンナ “貴婦人”という名の女丈夫

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 夏を越え、ジェンティルドンナは一回り大きな体になって栗東に帰ってきた。石坂正厩舎の井上泰平調教助手も「肉体的には首やお尻がごつくなっている」と表現しているように、放牧で太ったのではなく、成長してさらに筋肉質に(=ごつく)なっていた。

 牝馬3冠の最終関門、秋華賞(G1)へのステップレースとして陣営が選んだのは、9月16日の阪神競馬場、ローズステークス(G2)、芝1800mだった。なお、このレースから鞍上には岩田康誠騎手が戻っている。

 ジェンティルドンナは、当然のように断然の1番人気(単勝1.5倍)に推された。ステップレースといえども、負けるわけにはいかない。

 スタートはいつも通り、まずまず。だが、この日のレース、岩田騎手はあえてこれまでとは違った乗り方で挑んだ。これまでは、好スタートからすっと下げ、中団から後方に位置する競馬がほとんどだったが、ここでは、さらに好スタートを切ったライバル・ヴィルシーナをかわし、逃げるサンマルクイーンを2番手で追走する形に持ち込んだ。

 1000m通過のタイムは1分1秒4。平均からややゆったりしたペースで進む。直線。楽な手応えで先頭に並ぶと、気合い一発でグイッと伸びる。2着に1馬身半差をつけて勝利した。2着には、春2冠時と同じくヴィルシーナが入った。

ブックス

2012年ローズS

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