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試行錯誤を続けながらも砂漠の地で前年の雪辱を果たす

試行錯誤を続けながらも砂漠の地で前年の雪辱を果たす

第9章

試行錯誤を続けながらも砂漠の地で前年の雪辱を果たす

ジェンティルドンナ “貴婦人”という名の女丈夫

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 ドバイシーマクラシック(G1、UAEドバイ・メイダン競馬場、芝2410m)のスタートが切られた。ジェンティルドンナは好スタート。ライアン・ムーア騎手は少し下げて、馬群の中に入れる。1コーナーから2コーナーにかかるあたりで、後方の2番マーズが逸走し、外ラチに激突。リチャード・ヒューズ騎手がラチ外に投げ出されるアクシデントがあったが、幸い、前方に位置していたジェンティルドンナには影響はなかった。

 向こう正面に入る頃には、7、8番手に下げ、中団からの競馬となった。3コーナーから4コーナー、馬群がギュッとかたまり、ジェンティルドンナはその真ん中あたりで囲まれるような形になった。直線では4番手。だが、前3頭が先頭のアンビヴァレントを頂点として矢印の先ような(あるいは三角形のような)山型の位置取りになり、ジェンティルドンナはその三角形の真ん中に入ってしまった。

 前はもちろん、右も左も壁になっている。ムーア騎手は、ジェンティルドンナの進路を絞ってきた外のシリュスデゼーグルをやり過ごし、その後ろを通って瞬時に外へと持ち出した。これで完全に前があいた。残り200m。先にやり過ごしたシリュスデゼーグル、それより先に抜け出しているアンビヴァレントとの差はおよそ1馬身半。

 ジェンティルドンナはここから再加速。残り100mで先頭に立つと、逆に2着に1馬身半の差をつけて勝利した。石坂正調教師は「久しぶりに根性を出してくれて、底力を見せてくれた」と愛馬をねぎらい、サンデーレーシング代表の吉田俊介氏は「直線で前をふさがれたときには目を覆ってしまいました。外に出してからは伸びてきたのがわかっていたので、そこからは声を出していました。ベストのパフォーマンスができた」と喜びを顕わにした。

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