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関係者のコメントが予言していた好調馬の大駆け 〜ダイユウサクの場合〜

関係者のコメントが予言していた好調馬の大駆け 〜ダイユウサクの場合〜

第3章

関係者のコメントが予言していた好調馬の大駆け 〜ダイユウサクの場合〜

有馬記念 馬券教本

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 人気薄の馬を「消す理由」はいくらでも挙げられる。そもそも、消す理由がたくさんあるからこそ人気薄なのだ。だが、そのときの理由がはたして「残す理由」よりも重いものなのかどうかは、慎重に考えなければならない。当たり前の話に聞こえるだろうが、意外に「前走で勝ってるけど、マイルのオープン特別かよ」、「2400mのGIIで5着じゃ、今回は距離が長いね」、「そもそもGI勝ちがないぞ」といった漠然とした理由から、あっさりと「消し」を選択して、その後は存在自体を忘却の彼方へと押しやり、予想の対象にすらならなくなるといったケースも少なくない。まさに、前章で書いた「実力馬の過小評価」である。

 1992(平成4)年の有馬記念は、多くのファンがそんな思考のエアポケットに入り込んでしまった結果だった。事前のマスコミの論調は「メジロマックイーンの相手探し」に終始。その相手候補も実績十分な馬たちが居並ぶという状況だった。

 例を挙げれば、この時点ではまだ「ブロンズコレクター」の片鱗を見せていない、前走で鳴尾記念(GII)を勝ったナイスネイチャ。メジロマックイーンの降着で、2着から繰り上がりで秋の天皇賞馬となったが、通過順位としてはメジロマックイーンの「相手」となったプレクラスニー。春は京都記念(GII)を勝利し、休み明けのマイルチャンピオンシップでは後方から最速の上がりで4着に入ったプリンスシン。

 あるいは、休み明けながら、前走で宝塚記念(GI)を勝っており、前年の有馬記念では大川慶次郎氏に実況席で名前を連呼されて2着に入ったメジロライアン。秋の天皇賞(GI)で2着(入線順位は3位入線)のカリブソング、前走でアルゼンチン共和国杯(GII)を勝ったヤマニングローバルなど、どの馬もメジロマックイーンの相手としては十分あり得る実力馬たちだ。

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