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「再対決」へヒートアップする報道

「再対決」へヒートアップする報道

第5章

「再対決」へヒートアップする報道

たった一度っきりの“マッチレース”

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 年が明けて1996年、ナリタブライアンの大久保調教師は、前年と同様に阪神大賞典から始動すると明言した。前年はそこで圧勝後に股関節炎を発症し、それ以降、長いトンネルに入ってしまった。本当の目標はその先の天皇賞(春)だが、その前に、この暗闇を抜け出せるかどうかが阪神大賞典におけるナリタブライアンのテーマだった。

 それに呼応するように、マヤノトップガンのローテーションも発表された。阪神大賞典または大阪杯から始動し、目標は天皇賞(春)。恐らく前者が有力とされ、つまり有馬記念に続き、この春もナリタブライアンと同じ道を歩むこととなったのだ。

 そんな3月9日の「再対決」への興味は、もっぱらナリタブライアンの復活はあるのか、という視点から盛り上がりを増していった。2月に入り、両者が調教で時計を出し始めると、いよいよその一挙手一投足がスポーツ新聞で取り上げられるようになっていく。とくにナリタブライアンについては、武豊騎手の言葉がその報道のトーンを決めるような状態だった。

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