2017年12月24日の有馬記念はキタサンブラックの最終章。勝てば中央GI・7勝のタイ記録を樹立する。決して注目馬ではなかったキタサンブラックは、新馬戦3番人気、2戦目は9番人気と段階を踏み、デビューから12戦目でようやく「1番人気」に支持された。
今では誰の目にも明らかな最強馬は、堂々のファン投票1位でラストランを迎える。「実力先行型」として勝利を重ね、ついには日本の競馬史上になかったタイプのスーパースターの誕生。その本物のヒーロー伝説の軌跡を辿る。
島田 明宏
Shimada Akihiro
作家。1964年札幌生まれ。ノンフィクションや小説、エッセイなどを、Number、週刊ギャロップ、優駿ほかに寄稿。好きなアスリートは武豊と小林誠司。馬券は単複と馬連がほとんど。趣味は読書と読売巨人軍の応援。ワンフィンガーのビールで卒倒する下戸。著書に『誰も書かなかった武豊 決断』など多数。『消えた天才騎手 最年少ダービージョッキー・前田長吉の奇跡』で2011年度JRA賞馬事文化賞、小説「下総御料牧場の春」で第26回さきがけ文学賞選奨を受賞。最新刊はテレビドラマ原作小説『絆〜走れ奇跡の子馬〜』。
表紙写真:2016年のジャパンカップ(撮影:下野雄規)
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