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完全試合への道

完全試合への道

第4章

完全試合への道

日本経済から読み解くテイエムオペラオー 偉大な賞金王の記録

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 皐月賞を制したテイエムオペラオー陣営の次の目標は、当然、日本ダービーだった。陣営は十分に力の出せる状態に仕上げたが、レースでは早めに仕掛けざるを得ない展開となり、3着に終わった。

 ここから、テイエムオペラオーは「いい競馬はするものの勝ち切れない」レースが続くことになる。

 古馬相手の京都大賞典(G2)は3着。菊花賞は2着。次は有馬記念に向かうのかと思いきや、「負け癖を払拭したい」という岩元調教師の意向で、ステイヤーズステークス(G2)に出走。岩元師の言葉を借りれば、「当然勝てるという油断」によって足元をすくわれ2着。負け癖を払拭するどころか、さらに負け癖を重ねてしまう。

 続く有馬記念では、グラスワンダー、スペシャルウィークという古馬の強豪2頭が名勝負を繰り広げる中、その2頭とクビ差の3着だった。

 負け癖は払拭できなかったが、歴史的名馬たちの激闘からクビ差という大健闘で、次年度へ向け、陣営の士気は否が応でも高まっていった。

 竹園オーナーは、年明けのJRA賞受賞式の会場で陣営に「今年は全部勝つぞ」と発破をかけた。陣営は「よし!」と思う反面、「そんなに簡単に勝てるものではない」という思いが交じり合っていた。

 陣営が次のレースに選んだのは、2月の京都記念(G2)だった。岩元師は、前年のステイヤーズステークスで得た教訓から、馬を勝てる状態にしっかりと仕上げて送り出し、見事に勝利する。さらに阪神大賞典(G2)を圧勝すると、いよいよ天皇賞が見えてきた。

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