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賞金総額の推移から見えるもの

賞金総額の推移から見えるもの

第8章

賞金総額の推移から見えるもの

日本経済から読み解くテイエムオペラオー 偉大な賞金王の記録

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 1997(平成9)年に消費税増税などの緊縮財政を始めたことで日本はデフレ不況に陥り、いまだに脱することができていない。これは競馬界にも深刻な影響を与えてきた。

 次の図はJRAの「開催場入場人員」、すなわち競馬場に足を運んだお客さんの数と、「売得金額」、つまりJRAの売上金額の推移だ。

JRA売得金額合計/開催場入場人員

<JRA売得金額合計/開催場入場人員>

「開催場入場人員」のピークは1996(平成8)年。そこから滑り落ちるように減少し、もはやピーク時の半分以下だ。そして、「売得金額」のピークは1997(平成9)年。見事に日本がデフレ不況に突っ込んだ時期と重なるのである。

 ただ、これは当たり前と言えば当たり前の現象とも言えるだろう。国民の懐が温かくなれば財布の紐も緩み、競馬に出掛ける余裕も出て、競馬場で買う馬券の額も増え、逆に懐がさみしいとなれば、競馬場になど足を運ぶ余裕もなくなり、仮に出掛けたとしても、馬券の購入額を絞らざるを得ない。

 そして、これまた当然の帰結として、JRAの売り上げが下がれば賞金の額にも影響が及んでくることになる。

 次の図は、いわゆる八大競走の賞金総額の推移である。

※八大競走とは3歳クラシックの5競走(桜花賞、皐月賞、優駿牝馬、東京優駿、菊花賞)に天皇賞春・秋と有馬記念を加えた競走。

JRA八大競走賞金額の推移

<JRA八大競走賞金額の推移>

 図には細かい数値は出て来ないが、実は1995(平成7)年には8つのレースすべてで賞金額が上がっている。バブル崩壊後も日本はまだまだ経済成長できていた証拠だ。

 また、図には出ていないところで言うと、強い外国馬を呼んで盛り上げることを狙って、2000(平成12)年にジャパンカップの賞金が大幅に上がり、それと釣り合いを取る意味で有馬記念と日本ダービーの賞金も上がったが、そこからは10年以上横ばいとなっている。

 次に賞金額が上がるのは、2015(平成27)年前後になってからである。

 2015(平成27)年と言えばピンとくる人も多いだろう。そう、キタサンブラックがデビューした年なのだ。

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