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思わず応援したくなった2017年、夏 Part.2

思わず応援したくなった2017年、夏 Part.2

第3章

思わず応援したくなった2017年、夏 Part.2

思わず応援したくなる!マイナー血統の魅力と“今”

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■ケレン味のない逃げで輝いた“オーナーゆかりの血統”

 血統を背景に「応援したくなる」という点において、2017年の最大の主役はマルターズアポジーだったのではないか。2月の小倉大賞典、8月の関屋記念を制した同馬の父はゴスホークケン。2014年の2歳産駒のデビューから2018年現在に至る全世代において、中央競馬でデビューしたゴスホークケンの産駒はわずか6頭。そのような非常に少ない産駒の中から出てきた1頭であるマルターズアポジーは、他に2016年の福島記念など重賞3勝を挙げ、GIにも出走馬として名を連ねる活躍馬となった。そして血統表に「サンデーサイレンス」の9文字は存在しない。

 父ゴスホークケンは2007年のGI・朝日杯FSを優勝し、その年のJRA賞最優秀2歳牡馬に輝いた馬。母マルターズヒートは2003年のGIII・フェアリーSの優勝馬。両馬とも藤田与志男氏の所有馬としてデビューを迎え、ゴスホークケンは現役生活中に同氏が逝去し、在子夫人の名義となった。そしてマルターズアポジーはデビューから現在に至るまで在子夫人の所有馬として走っており、いわゆる“オーナーゆかりの血統”だ。

朝日杯FS勝利時のゴスホークケン。当時の名義は違えど“オーナーゆかりの血統”であるマルターズアポジーと同じ勝負服(撮影:下野雄規)

 両親ともに重賞勝ち馬という形にはなるが、この馬をマイナー血統としない競馬ファンはおそらく皆無だろう。新馬戦をやはり逃げ切り(このレースもマルターズアポジーは7番人気で、上位人気は“サンデーサイレンス持ち”だった)で飾った際も

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