この2018年はマイナー血統ファンにはたまらない一年になるのではないか、3月までの競馬を終えたいま、そんな予感がある。
2010年の宝塚記念を制したナカヤマフェスタは、産駒がデビューした2015年から中央・地方競馬両方で重賞勝ち馬を出していなかった。リーディングサイアーランキングでも2017年は65位に甘んじていたが、今年になりガンコが好メンバーの揃った3月24日の日経賞(GII)を快勝。父の初重賞勝ち産駒となった。また、ガンコは2015年7月5日の函館競馬場でナカヤマフェスタ産駒の中央競馬デビュー戦を飾っていたという、ファンにとっても記念すべき馬でもあった。前章でも書いたが、血統の面白さや不思議さ、温かさを感じさせる偶然というのはあるものである。
3月3日のオーシャンSを制したキングハートは、2013年に死亡した父オレハマッテルゼに5年ぶり3つ目となる重賞タイトルをプレゼントした。オレハマッテルゼから新しくデビューする馬もいなくなった2017年のランキングでは79位。勝利回数は「4」で、そのうち半分の2勝がキングハートによるものだった。初年度産駒であり2012年のチューリップ賞(GIII)や豪州G1・オールエイジドSを制したハナズゴール以来の重賞制覇は、個性的な馬名で人気を博したオレハマッテルゼの名前を、ファンに思い起こさせてくれた。
オーシャンSでキングハートは父に久々の中央重賞タイトルをプレゼントした(撮影:下野雄規)
しかし血統的に、あるいは種牡馬事情から見たときに今年もっともファンが沸いたのは間違いなく2月11日だった。
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