第18回の有馬記念はほとんどの競馬ファンに「ハイセイコーが負けた有馬記念」として記憶され、実際にレースを見ていたとしても、勝ったストロングエイトの名をすぐにあげる人は少ないだろう。
1973年はベトナム戦争終結、ウォーターゲート事件、金大中事件、そしてオイルショックと、国内外で大きな出来事が相次ぎ、東京オリンピック以来続いてきた高度成長に陰りが見え始めた年でもあった。
この年の春、大井競馬場から転厩し、中央競馬にデビューしたハイセイコーは、従来の競馬ファンだけでなく、これまで競馬に興味もなく、馬券など買ったこともなかった広い層から爆発的な人気を集めた。「国民的アイドルホース」ハイセイコーの誕生と第一次競馬ブームの到来によって、競馬はギャンブルから観戦するスポーツとして市民権を得て、スポーツ紙だけでなく、一般紙のスポーツ欄や社会面にも大きく取り上げられるようになった。
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