日本競馬の血統図を塗り替えたサンデーサイレンスを父に持ち、母はアイルランド産のGI馬ウインドインハーヘア。2010年にファーストクロップがデビューすると、翌年にはマルセリーナが桜花賞、リアルインパクトが安田記念を優勝。2012年にリーディングサイアーになると、そこから首位に座り続けている。
すでに偉大な父の最優良後継種牡馬としての地位を確立しており、その種付料は日本競馬史上最高額を誇っている。ディープインパクトの活躍を受けて、全兄のブラックタイドや全弟のオンファイアなども種牡馬入り、母が海外で産んだ牝馬もその後すべて日本へ輸入されている。ちなみに、17年日本ダービーを制したレイデオロの3代母もウインドインハーヘアである。
もちろん、すでに数多くの種牡馬も輩出している。トーセンラー、ダノンシャーク、リアルインパクト、スピルバーグ、キズナ、エイシンヒカリ、ミッキーアイル、サトノアラジン、リアルスティール、ディーマジェスティ、サトノダイヤモンドなどが種牡馬になっており、トーセンスターダムやダノンプラチナのように海外でスタッドインした馬もいる。
好走例の多い配合は、「ディープインパクト×ノーザンダンサー系牝馬」。これがディープインパクトのオーソドックスな配合である。そもそも父サンデーサイレンス系の成功の要因のひとつも、世界中で爆発的に増えたノーザンダンサー系牝馬との親和性の高さにあった。
なかでも、最も勝利数が多いのは、「ディープインパクト×母父ストームキャット」の配合。この配合からはアユサン、キズナ、ラキシス、エイシンヒカリ、サトノアラジンといったGI馬が出ている。
「ディープインパクト×母父フレンチデピュティ」も当たりが多い配合で、ショウナンパンドラ、マカヒキ、アンジュデジールなどが出た。この配合は、牝馬の好走率が高いのも特徴だ。
生産頭数はそこまで多くないものの、母父シングスピール(代表産駒・シンハライト)、母父ロックオブジブラルタル(代表産駒・ミッキーアイル)、母父ホワイトマズル(代表産駒・スマートレイアー)なども勝率が高い配合なので覚えておきたい。
近年急激に成績を伸ばしているのは、「ディープインパクト×母父キングカメハメハ」の配合。2018年のダービーを制したワグネリアンや、フローラSやローズSを勝ったデニムアンドルビーがこの配合にあたる。
キングカメハメハがそうであるように、以前は日本には少なかったミスタープロクター系の繁殖牝馬との相性もいい。現在の日本馬産界ではノーザンダンサーの勢いが落ちてきているので、これからは「ディープインパクト×母父ミスタープロスペクター」の好走例が増えていきそうな状況にある。
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