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基礎代謝の向上に特化し、そのために大きな筋肉だけを鍛える

基礎代謝の向上に特化し、そのために大きな筋肉だけを鍛える

第6章

基礎代謝の向上に特化し、そのために大きな筋肉だけを鍛える

ジョッキーダイエット

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 私は今、つくばと恵比寿でスポーツジムを経営しているのは前出した通りですが、大きな特徴としていえるのはウォーキングマシンやエアロバイクといった、有酸素系の器具を置いていないことです。理由はお金がないから…、というのもありますが(汗)、それ以上に必要と思わないからです。

 何もせずジッとしていても、生命活動を維持するために自動的(無意識)に行っている活動で必要なエネルギーを基礎代謝と呼びますが、「ジョッキーズシェイプ」が目指す身体づくりは、基礎代謝をあげて、日常生活だけでカロリー消化をしやすくすることなのです。ランニングや自転車といった有酸素運動は有効なトレーニング方法ではありますが、『基礎代謝をあげる』という目的には沿った運動ではありません。

 ダイエットという点では、毎日やれば効果はあるでしょう。しかし、逆にやらない日にはカロリー消費が止まってしまいます。何度もいいますが、私が目指す身体づくりは何もしなくても、自然とカロリーが消費される肉体。実際、ジョッキーでランニングを日課にしている人を僕は見たことがありません。

 ですので、ここで紹介しているトレーニングも、いたってシンプルなものになっています。この書籍を作りあげていく過程において、僕が提案したトレーニングの種目が少なすぎたのか、担当編集者から「ウエイトトレーニングの大原則として、筋肉のバランスを考えたうえでも、表裏一体のトレーニングをするべきでは?」という提案のメールをいただきました。

 一般的なトレーニングの常識と相反するとはいえ、僕はそのセオリーもキッパリと否定します。目的が明確であれば、セオリーを守る必要はないと思っているからです。競馬に例えれば、藤沢厩舎が坂路に入れないで直キャンターでダートを走らせるのは、セオリーに反しているから間違いなのでしょうか?だとしたら、日本屈指のトップトレーナーとして、あれだけの輝かしい実績を残せるわけがありません。担当者の方が話すセオリーが正しいのであれば、痩せたいと思っている人が目指す体型はすべて同じになるはずですが、実際は違いますよね。

 単刀直入にいえば、僕は女性には上腕二頭筋を使うトレーニングを推奨していません。なぜか?理由は簡単で、力こぶが欲しい!という女性の声を聞いたことがないからです。それなのに、セオリー通りに多くのトレーニングをやらせると大半の人間はバテてしまう。それは肉体的な面だけでなく、精神的に痩せたいという意思を持続することが困難だからです。本人が欲しくない筋肉のために、一番の本題を頓挫しないといけないのは本末転倒ですし、極めて無駄なことだと思います。種目を増やして追い込んでも耐えるハートの強さがあれば、先ほど書いた有酸素運動を毎日やることを推奨します。継続して走れば、誰だって痩せますから。

 そこで、私なりに出したダイエットに最も効率的な理論を述べると、『基礎代謝が大きな筋肉を重点的に鍛えることで、効率のいい代謝の向上を実現する』というものです。細かい筋肉にこだわったり、バランスよく鍛えなきゃとかいうのは、セオリーにこだわるあまり、目的を見失っていると考えます。そんなことができたら、誰も痩せることに苦労しませんし、私の存在意義もないですから。数少ないトレーニングで効率的に、かつ最大限の効果を狙うことが一番の目的です。

 そういった理由で、自宅でもできるトレーニングを厳選しました。もう一度いいますが、私の理論は『基礎代謝の向上』に特化すること。その目的を達成するために『大きな筋肉だけを鍛える』。そういったシンプルなものです。そうやってトレーニングを繰り返した結果、細かい筋肉まで意識する“トレーニングマニア”になったのなら、僕は止めません。自分の意思や知識で、ドンドン理想の身体を手にしてください。僕がお手伝いできるのは、最初の段階だけだと思っていますから。

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